2010-01-18

世代間闘争

大塚英志と東浩紀の対談集「リアルのゆくえ」を読んで改めて世代間闘争の現実性に慄然とした。
これまでに社会的事件を引き起こした様々なおたくとオタク。これらは団塊の世代のあと表に現れるときは社会的事件として不可解な当事者の言動の報道と言うかたちでしか理解されていない。しかしながらこの二人の対談を通じて明らかにされていることは紛れもない現実の社会の動き、底流に流れているようだが老人やマスコミが気がついていないだけで既に大きな流れとなっている思潮といえる。
特に東アジアと欧米の身体的反応の相違に関する指摘などは不気味な流れを想起させる。日本に発する漫画文化の力は今や世界の思想界を動かすまでになっているのかと改めてその力の大きさを再認識させられた。
対談を通じて気になったのは東浩紀の鋭い感受性だが、その感受性は現実への処方箋をどの程度備えているのだろうかということであった。大塚ではないが非常に心配な気持ちになる読後感であった。